小学校の教員からIT企業に転職した私が、まず取得を目指したのが「基本情報記述者試験」。
今回は基本情報技術者試験に文系未経験が合格する勉強法を紹介します。
【基本情報技術者試験】とは?
資格の概要
基本情報技術者試験とは、情報処理に関わる国家資格です。
「ITエンジニアの登竜門」とも言われる資格で、IT業界で働く人には人気の資格です。
資格を取得することで、IT企業への転職が有利になります。
特に未経験の方がこの資格を取得していれば、ある程度の知識があると評価してもらえます。
試験の概要
試験制度は令和5年4月から新形式に変更になりました。
それまでは、春期(4月)と秋期(10月)の年2回しか受験の機会がありませんでした。
しかし、新形式ではCBT(Computer Based Testing)方式になり、
いつでも好きな時に最寄りのテストセンターで受験することが可能になりました。
試験は科目Aと科目Bに分かれており、内容は下記のとおりです。
試験時間 | 出題形式 | 出題数 | 内容 | |
科目A | 90分 | 多肢選択形式(4択) | 60問 | 幅広いITに関する基礎的な知識を問う問題 |
科目B | 100分 | 多肢選択形式 | 20問 | プログラミング/セキュリティに関する応用問題 |
科目Aは4択問題で基礎的な内容なので、教科書を読み込んで内容を暗記すれば突破できます。
科目Bはプログラミングが関わってくるので、ここの対策が文系にとって肝になると思います。
科目A・B両方で6割以上得点することで合格となります。
出題内容
科目Aについて
科目Aは「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3分野に分かれます。
それぞれのおおよその出題数と内容は下記のとおりです。
出題内容 | 出題数 | |
テクノロジ系 | コンピュータの仕組みや技術に関する内容 | 40問程度 |
マネジメント系 | 管理職の仕事に関する内容 | 7~8問程度 |
ストラテジ系 | 会社や組織の経営に関する内容 | 11~12問程度 |
基本情報技術者試験はコンピュータに関することだけでなく
マネジメントや会社の経営に関わることなども問われます。
このあたりは暗記だけで得点できる問題がほとんどであるため、
計算問題が苦手な方にとっては貴重な得点源になりえます。
科目Bについて
科目Bは20問出題され、その内容は下記のとおりです。
- プログラミングやアルゴリズムに関する問題(16問)
- 情報セキュリティに関する問題(4問)
文系&プログラミング未経験にとって、ここへの対策が合格へのポイントになります。
科目Bについてはサンプル問題がIPAから公開されているので確認しておくとよいです。
勉強方法
私が合格するために行った勉強方法は次の通りです。
- 参考書を一周通読する
- 過去問道場で過去問を解きまくる
- 試験1か月前から科目B対策を始める
以下、1つずつ解説していきます。
①参考書を一周通読する
まずは参考書を通読します。
この時に大切なのは、「少し分からないところがあっても読み飛ばして次に進む」ことです。
試験範囲はとても広いため、全てを理解するのは難しいです。
それに、6割得点できればいいので、苦手なところに無理に時間をかける必要はありません。
まずは軽い気持ちで参考書を読み、挫折しないようにすることが大切です。
②過去問道場で過去問を解きまくる
過去問道場とは、情報技術者試験の過去問を解くことができるWebサイトです。
試験問題が公開されている、令和3年までの過去問を無料で何度でも解くことができます。
分野や年度を指定して解くこともできるので、参考書で理解が曖昧だったところの
問題演習を繰り返し、間違った部分を参考書で確認、といったこともできます。
私は当時、電車通勤していたので、電車の時間はスマホで過去問道場を解いていました。
問題演習のポイントは、「隙間時間をいかに有効に活用するか」です。
空いた時間があればとにかく1問だけでもいいから解いていました。
子どもを寝かせるためにドライブに行き、運転中に妻に問題を読んでもらって答える
なんてこともやっていました(笑)
過去問を何度も解けば、科目Aについては間違いなく突破できます。
空いた時間を有効活用して、1問でも多く問題を解きましょう。
③試験1か月前から科目B対策を始める
隙間時間を活用した問題演習は続けつつ、科目Bの勉強を始めます。
科目Bはセキュリティ関連の問題が4問と、プログラミングに関する問題が16問です。
このうち、セキュリティ関連の問題については、特に対策しなくて十分です。
科目Aにセキュリティの内容も含まれているので、そちらの学習のみで対応可能です。
問題はプログラミングに関する内容。こちらが文系には鬼門です。
未経験の方は参考書を購入し、手を動かしながら勉強することが必要です。
私は、プログラムを読み、命令の実行を順番に辿る「トレース」という作業を何度も行いました。
参考書には、サンプル問題が多く含まれているものを選ぶと良いです。
何度も問題を解き、トレースを行うことでプログラミングの考え方が身についていきます。
ここが正念場ですが、ここさえ乗り切れば合格は難しくないです。
大切なのはモチベーションを保つこと
基本情報技術者試験は、情報処理技術者のための試験ですので、文系には難しい内容も出てきます。
しかし、記事でも触れた通り、6割取れればいいのです。全てを完全に理解する必要はありません。
私自身、苦手分野の問題は完全に捨てていました(私はネットワークが苦手でした)。
まずは軽い気持ちで勉強を始める。そして分からなくてもあまり気にしすぎず、先に進む。
この記事を最後まで読んでいただいたあなたは「資格を取りたい!」という気持ちがあるはずです。
その気持ちを最後まで保ち続けられるよう、肩肘を張りすぎずに勉強しましょう。
文系未経験でも、しっかりと学習すれば合格は難しくありません。
試験に挑戦する皆さんの合格を祈っています。